起業するにあたって、犠牲にしたものや失ったものって何かあるのでしょうか?
会社員から起業して失うものは、お金、安定、会社の看板、上司の指示、同僚の5つです。しかし、失うばかりではありません。起業して得るものもあるのです。
そして私の場合は、得たものの方が気に入っているのです。
だからこそ、「今すぐにでも会社員に戻りたいか?」と問われれば、「いいえ」と即答します。
このページは、私の起業経験から「起業することで失ったもの」と「得たもの」を5つずつ紹介しています。
起業することで失うもの 5つ

起業することで失ったものは、つぎの5つです。
- お金
- 安定
- 会社の看板
- 上司の指示
- 同僚
起業して失うものは、1番目は「お金」になりますが、全体的に見ると「安定」に関係するものが多いですね。
強いて言えば毎月給料が出るのも「安定」に結びつきますし、上からの指示に従っていさえすれば、普通に仕事ができました。
起業すれば、そんな「安定」は一瞬にしてなくなります。
1.お金
物理的に失うもので一番大きなものが、「お金」です。
開業資金はもちろん、毎月の固定費にガンガン持っていかれます。パソコンなど仕事に必要なものが壊れれば、すぐに購入しなければなりません。営業で外回りをするとなれば、交通費やスーツ代もかかります。
それに加えて自分で自分に給料を払わなければなりません。これまで会社が半分負担してくれていた年金も自分で払わないといけません。健康保険代も保険代の支払いも待ったなしです。
起業前に貯めていたお金や退職金は一気になくなります。凄まじい勢いで、みるみるうちに銀行残高が減っていきます。
順調にビジネスが成長して軌道に乗り、利益を出せるようになるまでは、お金は失う一方です。
2.安定
起業することで失うもので、お金と並んで大きなものは「安定」です。
会社員時代は、毎月の給料日がくれば自動的にお金が振り込まれていました。ちょっと大きな買い物も給料やボーナスを当てにして購入することもできました。
仕事だって、だいたい同じような内容の仕事の繰り返しです。何年もやっていれば、仕事の要領もわかってきます。仕事の人間関係もそんなにたいして変わるものではありません。
しかし起業すれば、そんな「安定」は一瞬で消えます。
毎月決まった日にちに給料が振り込まれることはありません。自分で稼いだ金額しか振り込れないのです。しかも翌月にいくら振り込まれるかは、自分の売上次第。
仕事内容も安定しません。
ある日突然大企業が参入して、自分の顧客をごっそり持っていかれることもあります。そうなると、仕事内容を今とはガラッと変えていかないと生き残れません。今まで積み重ねてきたノウハウだって全て捨て去らないといけないし、人間関係だってゼロから構築する必要があります。
3.会社の看板
起業して改めて気づいたことは、いかに会社の看板で仕事をしていたかということです。
会社の名前の入った名刺を差し出せば、普通に営業できました。ある程度対等に話を聴いてもらうこともできました。
しかし、起業すると、だれも自分のことは知りません。自分の会社や屋号を名乗っても、だれも信用してくれません。話すらも聞いてもらえません。
すべて自分で信用ゼロの状態から作っていかないといけないのです。
4.上司の指示
会社員時代は、上からの指示に従って仕事をしていれば、それでなんとか回っていました。
たとえ嫌な上司でも指示どおりやっていれば、問題ありませんでした。
起業すれば、すべて自分で考えて決断しなければなりません。順風満帆で仕事が回っていれば良いですが、ひとたび売上が下がってくると、何をしたらよいか、何を優先するべきかが、さっぱりわからなくなることがあります。
「こんな時に上からの指示があれば、どんなに楽か!」と思うことがあります。
5.同僚
会社員時代、同僚とよく飲んでいました。
会社や上司の陰口などを言い合ったりして、安酒飲んでストレス発散していました。
ときどきそれが鬱陶しかったりめんどくさいと思うときもありましたが、今から考えると良き思い出となりました。
起業したら、もうそんな同僚と愚痴を言い合ってストレス解消することは有りません。
お酒を飲んで愚痴を言う暇があったら、少しでも現実的な解決方法を考えて実行しなければ、自分の生活が脅かされてしまうからです。
これはちょっと失って残念です。サラリーマンの醍醐味ですね。
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起業することで得るもの5つ
起業することで得るものは、次の5つです。
- お金
- 人生の主導権
- プレッシャー
- 家族の結束
- 自分が育てたビジネス
起業することで失ったものもあれば、得るものもあります。
私の場合は、起業することで得たものの方が、失ったものの数倍価値があると思っています。
もちろん起業を成功させることが重要になりますが、たとえ失敗したとしても上記のお金以外の4つは得ることができます。
私は、一度起業に失敗して現在再建中ですが、本当にそう思います。こちらの「40代で会社辞めて起業して1年で失敗。現実は厳しい。」のページで起業失敗の体験談を語っています。どんなビジネスで失敗したのか、失敗の理由やその後の生活などを語っています。ご参考いただければ嬉しいです。
1.お金
起業すれば、お金を失います。
でも、起業すればお金を得ることもできるんです。(失敗すれば得られませんが)
しかも得られるお金の金額に上限はありません。自分が欲しいと思う以上のお金を得ることができます。
サラリーマン時代の年収を一月で稼ぐことだって、そんなに不可能なことではありません。
2.人生の主導権
会社員時代は、転勤に人生を左右されていました。
自分の住むところや子供の教育だって、次の転勤のことを予測して考える必要がありました。
起業すれば、そんなことで人生を左右されることはありません。
自分の住むところは、転勤など考えずに自分で決められます。子供の教育だって、そうです。
起業すれば、自分のことはすべて自分で決められます。会社があれこれ言ってきて、それで人生が左右されるなんてことはもうありません。
休みたい時に休めば良いし、出勤時間さえ自分で決められます。
仕事する場所だって、仕事の服装だって、自分で決めればそれで良し、です。豪華なオフィスを借りるか、格安のシェアオフィスを借りるか、自宅で仕事をするか、すべて自由に決められます。
私は、この自分で人生の主導権を握れる状態がすごく気に入っています。
こちらの「40代で退職して失ったもの」のページでも書いていますが、会社に人生を主導権を握られている自分が本当に嫌でした。だからこそ、人生の主導権を握れている今の状態に満足しているのです。
3.プレッシャー
人生の主導権を握れる反面、かなりのプレッシャーがあります。
仕事がうまく回るかどうかは、全て自分の責任だからです。うまく軌道にのれば良いですが、売上が上がらず失敗することもあります。
失敗すれば、なけなしの個人資産(貯金)を精算しなければ家族を養えません。あるいはバイトしてでも支えるという覚悟が必要になります。
起業すれば、いつもそういったプレッシャーと隣合わせです。
ときどき真夜中に目が覚めて、プレッシャーで眠れなくなることもあります。
4.家族の結束
起業すると、家族の結束は強まるような気がします。
プレッシャーがあるからか、サラリーマン時代にはなかった緊張感が家族内にあるような気がします。
サラリーマン時代だと、ついついボーナスを当てにして、欲しいものをあまり深く考えずに購入していました。
でも、起業した後は、本当に欲しいものかどうかを吟味した上で、さらに売上の動向を考えた上で購入を決定するようになりました。
だから欲しいと思っていても、すぐには買いません。売上が悪いタイミングなら我慢しなければなりません。
そういう緊張感が、家族のつながりを強くしているような気がします。
5.自分が育てたビジネス
自分が考えたビジネス、自分が育てたビジネスを世に問うことができた、という自信を得ることができます。
それはたとえ失敗したとしても、自分のビジネスを利用してくれた人がいる限り、世の中に貢献できた証でもあります。
だからこそ、もっと多くの人に自分のビジネスを知ってもらいたいと思うわけですし、それが成長の原動力となっていくのです。
自分がいなければ、そのビジネスはそもそも生まれなかったわけですし。そう考えれば考えるほど、「自分ってすごい!」って思っちゃうんです。(まあ私は失敗してますけどね。)
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まとめ:失うものと得るもの、比較するとどうなる?
起業することで失うものと、起業することで得られるものをそれぞれ比較してみると、実際どうなんでしょう?
起業で失うものの方が大きそうだから、起業はやめておこうと思うかもしれません。
あるいは、起業で失うものよりも得るもののほうが大きいから、起業しようと思うかもしれません。
あなたはどう思ったのでしょうか?
私は、起業で失ったものよりも得たものの方が大きいと感じています。
私は、起業に失敗していて、今もバイトしながら再起をかけて奮闘しています。
それでも会社員でいるより得るものがあるって思っています。
なぜなら、「起業に失敗する」という経験ができたからです。起業に失敗して挫折感を味わうなんて、普通の人にはなかなかできない経験です。
ずっと会社員の人生なら、そんな経験は絶対できません。
「起業に失敗する」ということをも「得られる」と、ポジティブに考えざるを得ないのが起業した人の最大の特徴で、サラリーマンとの考え方の違いかもしれません。
こちらの「起業失敗後の心境」のページでも、起業に失敗してもあまり後悔していないことを書いています。失敗後の心境について知りたい方の参考にどうぞ。

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