退職した今だからこそ言えることですが、日本企業の副業禁止規定は既に時代にマッチしていないのではないでしょうか。
これからの日本企業のあり方や新しい働き方として、副業容認を提案してみたいです。
副業禁止しているから、起業家精神は育たないのでは?
どの企業のトップでも、社員に対して要求することは同じです。
起業家精神が大事である、起業家精神を発揮せよ、どの企業のトップもことあるごとに社員にそう要求しているのではないでしょうか。
私が20年勤めていた会社のトップもそうでしたし、大企業のトップの書く大半の本にも、そのようなことが書かれています。
「これからの我が社を支えていくためにも、起業家精神を社員の皆様に発揮していただきたい」
こんなことを企業のトップは、実にもっともらしく社員に押し付けています。
起業家精神という言葉は、どことなく耳障りは良いです。
表面上は、なんとなくわかったような気にもなります。
確かに急成長する企業には起業家精神があるような気がする、我が社にもそのようなものは必要だと思うと頭では思うのですが、実際のところは、シャボン玉のようにすぐ弾けて消えてしまうものです。
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よくわからない「起業家精神」
起業家精神って実際のところは、よくわからないというのが本音じゃないでしょうか?
言っている企業のトップも大半はわかっていないと思うし、言われている社員にしても何だかよくわかっていないと思います。
言っている方も言われている方も、なんだかよくわからず言葉だけが先走りしている状態なのです。
起業経験の無い経営者と社員
なぜこんなことになるのでしょうか?
その理由は簡単です。
起業したことがないからです。
苦労してゼロからイチを生み出した経験がないんです。
社員はもちろん、企業のトップもそうです。
今や企業のトップは、サラリーマン社長が大半ですからね。
でも、そんなトップが「起業家精神」って言っても説得力はまるでないのも確かなんです。
とは言っても、実は日本の会社に一番欲しいのは、起業家精神を持った人なんです。
そんな人は喉から手が出るほど欲しい。
けれども、実際は「起業家精神」なんてよくわからないから、企業で人材育成しようにもできないというジレンマを抱えているのです。
企業としては変わらなきゃいかんと思っているんですけど、身動きが取れない状況にあるのです。
起業家精神育成のために副業を解禁してはどうか?
そこで提案したいのが、副業禁止規定の撤廃です。
社員でも副業やっても良いことにするのです。
副業といってもアルバイトをするのではなく、自ら事業を始めることを推奨するわけです。
社員でいながら、スモールビジネスを始められるというイメージです。
給料をもらいながら自分のビジネスができるので、失敗してもリカバリーしやすいですから、いろんなことにチャレンジができる。
企業としても、本当の起業家を育成できるメリットがあります。
副業を容認したくない企業の本音
会社としては、会社の仕事はキチンとやって欲しいです。
従業員が副業をやりだすと、統率できなくなるのではないかという不安もあります。
職場の士気が乱れてしまうかもしれないと反発がでてくる可能性も否定できません。
一度容認してしまえば、このようにいろいろな負の側面がでてくるので、容易には副業は容認できない。
これが企業の本音のところだと思います。
副業容認を人事評価に取り込む
これではいつまでたっても企業は何も変わりません。
起業家精神が必要ならば、今こそ行動に移していく必要があります。
それならこういうやり方はどうでしょうか?
いっそのこと副業をオープンにしてしまうのです。
つまり副業を行う社員は、会社に副業を申請するというやり方です。
人事評価にも取り組んでいる副業の実績を書きます。
収支報告は会社に報告する形にして、確定申告も会社経由ででできるようにします。
部署内でも月一とかでミーティングをして、副業の成果発表を行って、そこで成功したこと失敗したことを議論する環境を作ります。
副業の収支報告の書き方とか総務とか経理の人にレクチャーしてもらったりということもできますね。
これこそ、起業家精神の育成という姿じゃないんでしょうか。
副業容認は、これからの企業のスタンダード?
もちろん副業に成功したから、会社を辞めてしまう人も今までより多く出てくるかもしれません。
それでもいいではないでしょうか。中途採用枠を増やせば良いのです。
将来的にこのような企業が増えていけば、雇用の流動化にもつながっていくでしょうし、転職したくてもできないという悩みを抱えている40代や50代男性社員にもチャレンジできる道ができてきます。
このような動きになっていけば、LP(ローパフォーマー)とか言われて悲惨な状況に追い込まれている人なんかも、副業で挽回のチャンスがでてきますし、自分の市場価値に気づけると思います。
新たな人生のチャレンジにも前向きになれると思うのです。
企業としては、起業家精神を持った社員を育成できますし、社員としても会社に依存する働き方から自立する働き方が見えてくると思います。