会社に退職の告白をするまでには、辞めるべきか残るべきか長い間葛藤を繰り返してきました。
悶々と悩む日々が続き限界を感じ始めた頃、もう悩んでいてもしょうがない、堂々巡りになるだけだと徐々に考え出すようになってきたのです。
そろそろ葛藤するのは止めよう。
覚悟を決めて前に踏み出そう、そういう気持ちに変わっていきました。
そのきっかけは会社の昇格試験でした。
昇格試験は会社への忠誠心の踏み絵
管理職という一線
私の会社では、30代後半~40代前半の頃に管理職になるための昇格試験が課せられます。この試験に受からないと出世の道が閉ざされることになります。
受験を拒否することもできますが、そうなるとリストラ対象者の常連になることは目に見えています。
企業側から見た場合の昇格試験とは、管理職として会社に忠誠を誓える人間かどうかを判断するための線引とも言えます。
忠誠を誓って働ける人間以外は要らない、という会社からのメッセージなのです。
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回答期限が迫ってきた
私の場合、この試験を受けるかどうか会社へ伝えるのをずっと逃げておりました。
というのも、一度昇格試験を受けたのですが、最初の試験には落ちています。
チャンスは2回までなので、これがラストチャンス。
そして、そろそろ回答期限が迫ってきたのです。会社に忠誠を誓うか、リストラされるかをはっきりさせなければならない。
昇格試験を受けて会社に忠誠を誓ってしまえば、退職するのは難しくなってしまう。
反対に試験を受けなければ、いつリストラされても文句は言えなくなる。給料も減らされるかもしれない。
どっちを取るのか、ハッキリさせなければならなくなってきたのです。
もう悩んでいてもしょうがない
会社からは、年初の人事面談の日まで回答してくれ、と期限を決められてしまいました。
だいたい1週間ぐらいしか猶予ありませんでした。
かなり切羽詰ってきました。
このタイミングで心の変化がありました。
もう悩んでいてもしょうがない。悩んでいても堂々巡りになるだけだ。
もうこんな気持を抱えたまま暮らしたくない。
自分の本心を会社に伝えてスッキリさせたい。
そう思うようになってきたのです。
開き直りでしょうか。
それと同時に、
もうやるしかない。会社を辞めてもなんとかなる。
と少し前向きな気持ちも芽生えてきました。
なかなか言えない
「退職したいので、昇格試験は受けません」と会社に伝えようと決心しました。
この日に上司に絶対言うぞ! と心に誓いましたが、自分で決めた日には結局言えずじまいでした。
まだ自分の中に迷いがあったのです。
早く言いたいという焦りにも似た気持ちと、一度言ったら後戻りはできないとブレーキをかけるような気持ちが激しくぶつかり合っていました。
言わなきゃいけないのはわかっているけど、なかなか言えないまま数日が過ぎてしまいました。
妻に背中を押してもらう
ある晩、「会社を早く辞めたいけど、お金が無くなるのが怖い」と妻に打ち明けました。
すると、「大丈夫だよ。ちょっとは減るかもしれないけれど、そんな風にはならないと思う」と言う答えが返ってきました。
今から振り返るとちょっとじゃなくて大分減ってしまっているのですが、その時はそう言ってもらえて、かなり気が楽になりました。
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覚悟を決める
そして、再度自分に問いかけてみることにしました。
「本当に会社を辞めても良いのか。本当は辞めたくないと思っているのではないか?」
そう自分に問いかけてみました。
もし無意識で会社を辞めたくないと思っていたら、心がふうっと軽くなるはずです。
そういう気配はまったくありませんでした。
今しかない
もし今の時期を逃してしまえば、もう退職するチャンスはやって来ないかもしれない。
覚悟を決めました。
ちょうど金曜日の午後に、毎年定例の人事面談が予定されておりましたので、そのタイミングで言おうと決心しました。
そして、その日を人生の分け目の日にしよう。その日の夜は最高の気分で家に帰ろうと心に誓いました。
会社に辞意を伝える
金曜日の午後、上司との人事面談の場で、昇格試験のことや今後の職務の希望について問われた時に、辞意を伝えました。
「このまま会社に残るのもいいけど、今後は自分で自分の道を拓いていきたい。起業したい」と伝えることができました。
上司は、ちょっとびっくりしたようでしたが、冷静に話を受け止めてくれました。
感情的になることもなく、私の希望についても理解してくれたようです。
引き留めもありませんでした。
あっさりと面談は終了したのでした。
最高の気分
面談が終わった後は最高の気分でした。
会社に自分の意思を伝えられた達成感と、長い葛藤からの開放感。
その時は、自分の人生が光輝いているような感じがしました。自分はなんてラッキーなんだ、人生すべてがうまく回っていると思いました。