私がなぜ会社を辞めたいと思っていたかというと、大きく分けるとふたつの理由があります。
自分で事業を始めたいというのがひとつ目の理由で、ふたつ目は、会社員というものにどうしても馴染めなかったからでした。
会社員という雇われの立場ではなく、自分がお山の大将になって自分の頭の中にあるものを実現させてみたいという願望が、自分の中で抑えきれないほど大きくなってしまったのです。
要は、自意識過剰です。
会社を辞めた今となっては、お山の大将どころか兵隊にもなれていません。
商売のネタ探しで異業種交流会へ
そんな自意識過剰気味な願望のためにも、まずは事業を成功させるべく、どんな商売が儲かるのか、自分に向いていそうな商売のネタを探しておりました。
最初は主にインターネットや書籍からネタを拾って研究しておりましたが、そのうち人の話を直接に聞いてみたい(あわよくば人脈も広げたい)という発想に変わり、異業種交流会や起業セミナーに積極的に顔を出すようになっていきました。
異業種交流会や起業セミナーに行っても何の成果も無く、結局ゴミみたいな交流だけが増えてお金と時間を流出させてしまう散々な結果となりましたが、まあ、あえてその話はここではしません。
https://40taishoku.com/taishoku-decision/social-party/
ここでは、ある異業種交流会で出会ったイギリス人に誘われ、外国人の集まる映画の上映会に行った時の話をしたいと思います。
ある日、フリーランスが集まる小規模な都内の異業種交流会に呼ばれました。
気乗りがしないまま参加したのですが、参加者の中になぜかイギリス人の俳優という触れ込みの青年(なかなかのイケメン)がおりました。
彼は3/11東北大地震の復興ボランティアで被災地を回っており、被災者を支援するグッズを配っていました。
白人のイケメンなので、交流会では終始女性達に囲まれていましたが、あるきっかけで彼と会話したところ、話が弾みに弾みました。
その会話の中で、今度恵比寿で映画の上映会を主催するが来ないかと誘われました。なんでも集まる人は、日本人だけではなく、世界各地の国の人が集まるということです。
ビールを飲んで気分が大きくなっていたのか、面白そうと思い、是非参加したいと答えてしましました。それに、周りの女性達の手前、NOと言うのが恥ずかったこともあります。
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外国人の集まる上映会に参加
とは言え、実際にその上映会に言ってみると、日本人がほとんどおらず、しかも会話がすべて英語。
すっかり異世界に迷い込んでしまった感じになってしまいました。
でもせっかく来たのだから楽しもうと開き直り、ビールを大量に飲んで酔っ払いながら次々と参加者に声をかけました。
酔っ払ってしまうと度胸が付くのか、私は、こういうシチュエーションには結構強いのです。
宴会でビアジョッキを持ってテーブルを回るおっさん、いるでしょう? ああいう感じで、声をかけまくりました。
声をかけてみたら、参加者は20~30代ぐらいの社会人がほとんどでした。彼らは、日本でなんらかの仕事をしているようです。
どんな仕事をしているか、詳しく話してましたが、英語なのでよくわからない。「うん、うん」とうなずいて、「カンパイ!」と言ってごまかしてました。酒の力は偉大です。
アメリカ人青年に会社の愚痴を聞いてもらう
その中で、なんとなく親密に私の話を聞いてくれるアメリカ人の青年がいました。
彼がとても聞き上手だったので、私は自然に会社の愚痴を話し始めてしました。
不思議な事に会社の愚痴だとスラスラ英語が話せるのです。英語力を上達させるには、まず愚痴から話すといいのでは、と思ってしまいました。
会社が肌に合わないこと、自分で事業をやりたいこと、人間関係うまくいっていないこと、お金が足りないこと、自信がないこと、などなど自分でも驚くくらい愚痴のオンパレードです。
アメリカ人の彼は、私の大量の愚痴をひととおり聞いてくれました。
そんなに嫌なら辞めればいいじゃん
そして、彼はこう言ったのです。
「そんなに嫌なら辞めればいいじゃん」
私は、しばらく返す言葉を失っていましたが、「そんなのはわかっているけど、家族もいるし簡単に辞められないから悩んでいるんだ」と返しました。
「それはそうだよね。わかる、わかる。僕は月6万円で生活しているけど、けっこうハッピーだよ」
と、アメリカ人の彼が笑って答えます。
唖然としました。今まで何をうじうじと悩んでいたんだろうか?
そうか、「そんなに嫌なら辞めればいいじゃん」か。
なんと軽い言葉なのだろう。
でも、本当は、そんな感じでいいのかもしれない。軽い感じ。
あまりにも重く考えていると気分がどんどんマイナス方面に行って、私のように愚痴を積み上げていってしまいます。
要は、本人の考えようなのです。
私の場合は月収6万でもハッピーにはなれるとは到底思えませんが、辞める前にマイナスなことをあれこれ悩むよりも、スパっと退路を立って新しいことをする方向に考えを切替えてみようと、ちょっと希望の光が見えてきたような感じがしました。