見知らぬ場所へ旅行するときに地図を広げて行き先を確認するように、退職までの道筋を描いてみたことはありますか?
実は、退職しようかどうしようかと悩んでいるときは、退職に至るロードマップがきちんと描けていない場合が多いのです。退職についての不安や退職後の不安など、先を見通せないことが不安を煽ってしまうからです。
退職ロードマップを描くことで、自分のやるべきことが明確になり、会社を辞めたその先まで見通すことができます。もちろん、ロードマップを描いた結果、会社を辞めない方が良いという結果になることもあります。
このページでは、なぜ退職へのロードマップが必要なのかを解説し、自分ですぐにできるロードマップの作り方を説明しています。
迷っていても始まりません。まずはどうやったら自分は退職日を迎えられるか、その道筋を考えることから始めてみませんか?
なぜロードマップが必要なのか?
旅行に出かけるときは、地図が必要です。旅行を計画する時、地図を見ながら今の地点からどうやって目的地まで到達するか、ロードマップを描くでしょう。
ではなぜロードマップが必要なのでしょうか?
それは、最短で目的地に到達するために必要だからです。そして、本当に自分が目的地までたどり着けるんだろうか?という不安を払拭する理由もあります。さらに、目的地にたどり着くまでに必要なものもロードマップを描いていく途中でわかってきますね。
たとえば、Aという場所は周りになにもないところだから、お弁当を持っていったほうが良い、というな事前の準備もできます。事前の準備ができていれば、それだけ不安もなくなるし、スムーズに目的に到達できます。
ロードマップのメリット
- 最短で目的に到達できる
- 不安を解消する
- やるべきことが明確になる
こんなことは誰でも知っていることでもあります。
でもどうして旅行するときには誰でもロードマップを描くのに、なぜ退職という目的を果たす人生の一大イベントには適用しないのでしょうか?
退職というのは、自分のなかでは未知のことで不安だらけ。何をやっていいのかわからないし、本当に自分が退職できるかさえはっきりしない。でも、会社は辞めたい!
それならば、旅行するのと同様に、退職するまでのロードマップを描いてみてはどうでしょうか? 上記のロードマップのメリットを享受することで、不安が解消し、やるべきことが明確になり、最短で目的地に到達できるのではないでしょうか?
最短で目的地に到達できる
会社を辞めたい!と思ったら、今すぐにでも、会社から去りたいと感情は高ぶります。
しかし現実的にはそんな無謀なことはできませんよね。家族やローンはどうなる?退職後どうする?今住んでいるところは?保険は?両親や親戚、友人知人への説明はどうする?などなど、退職前に解決すべき課題が山程あります。
それらをひとつひとつ解決していくのは、かなりの困難だと思わざるを得ません。さらに、自分自身どうやって解決していけば良いのかさえも、さっぱりわからないのです。もっと言えば、そもそもどんな問題が待ち受けているのかさえわからないのです。
でも、退職へのロードマップがあれば、事前に解決すべき問題が予め提示されており、どの時点でどんな問題を解決すべきかもわかるのです。
そのため、今やるべきことではないことを今やる必要がなくなり、しかるべくベストなタイミングでその問題に対処すれば良いということになります。これは問題対処にかける時間を効率化させることに繋がります。
時間を効率化すること、すなわちそれは最短で目的地(=退職)に到達することと同じことになります。余計な遠回りをしなくて良い、ということです。
不安を解消する
いざ退職しよう!と思った時、いきなり現実に引き戻される感覚に襲われると思います。私もそうでした。
それまでは「退職すれば楽になる」的な幻想モードに浸っていたのが、じゃあどうやって退職すれば良いのかを考えると、とたんに不安だらけになるのです。
なぜ不安になるかといえば、退職までに何をしたら良いのか、退職後にどうなってしまうのかがわからないから。
しかし、退職へのロードマップがあれば、退職日を迎えるまでにどんな問題があり、いつまでに問題をクリアすれば良いのかがわかるので、その分不安が解消できるのです。
人間、不安を抱えるのは、将来のことがわからないからです。でも、あらかじめ問題がわかっていて、その解決方法を事前に対処できるのであれば、ある程度の不安は解消できるのです。
もちろんすべての不安は解消できるわけではありません。しかし、100ある不安のうち、50でも60でも解消できれば、かなり精神的にも安定し、今やるべきことに専念できるのではないでしょうか?
やるべきことが明確になる
将来の退職を考えて、いろいろと準備している人も多いと思います。
私も転職活動したり、副業したり、自己啓発本やセミナーに通ったり、異業種交流会に参加したり、朝活や勉強会に通ったりしました。
睡眠時間を削り、飲み会や交通費に安くはないお金を支払い、空いた時間をそれらの活動に投資しました。様々な人と出会い、自分で作った名刺をバラマキ、Facebookの友達をいかに増やすかに熱を上げました。
当時はひたすら将来の退職のため、自分の人生を自分でコントロールするのだという野望?のため、多少の苦労はしょうがないと思っていました。それが将来花開けばそれでいいんだ、と考えていました。
しかし、退職した今から考えると、果たしてその当時やったものは果たして必要だったのか疑問です。
名刺交換でもらった名刺はすべてゴミになりましたし、今ではFacebookは使っていませんし、その当時出会った人と交流などありません。
転職活動、朝会、副業、セミナー、すべて中途半端に終わりました。
もしその当時私がきちんと退職するまでのロードマップを手掛けていれば、そんな遠回りをしてお金と時間を浪費することもなかったろうと思います。
そう、大切なのは闇雲に行動するのではなく、自分の目標というか目的を明確にした上で、その目標に到達するために何をするべきかをリストアップすることなんです。
そういう作業をやらずに、やたらめったら目についたことに飛びついたとしても、空回りするだけで目標がさらに遠のくだけです。
それでもまだ10代や20代だったら、良い経験になったね、ということにもなるのですが、40代をすぎるとやっぱり時間は貴重。遠回りなどしたくはありません。
退職へのロードマップを描くことで、いつどのタイミングでなにをやれば良いのかがはっきりします。遠回りして余計な時間とお金を使うこともありません。
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退職へのロードマップを作ってみよう
ではどうやってロードマップを作っていくかを簡単にご説明したいと思います。
まだ退職の意思が固まっていなくても大丈夫です。
退職日当日をイメージする
本当にいきなりですが、退職日当日の自分をイメージしてください。今日が会社の最後の日です。
さあ、目を閉じてイメージしてみてください。
たとえばこんな感じ。
今日が会社の最後の日です。退職の挨拶も済み、会社を出て、帰宅の途中です。
定時で会社を出たので、周りはまだ明るいです。やるべきことをすべてやり、今日の退職を迎えました。さあ、明日からは自分の人生を歩むのだ!
少し不安がありますが、希望で胸がいっぱいです。
どうです?イメージできました?イメージできたなら、これで準備完了です。
ここからロードマップを作っていきましょう。
どんな問題をクリアしてきたのか?
イメージできたら、ここまで何をやってきたのかを考えていきます。
退職日を迎えるまでにどんな問題が出てきて、どう対応してきたのでしょうか?
思いつくままに書き出していきます。
もちろんイメージのものなので、実際には起こらないかもしれません。でも、イメージの中で出てきた問題というのは、自分の中でも不安を抱えていることです。
普段は意識しないような問題でも、このようにイメージすると意識できるようになります。ポイントは、こうような普段意識していないような問題が引き起こす不安を潰していくことです。
忘れないように、紙やパソコン、スマホのメモ帳などに書きだしていきましょう。
例えば、妻から退職を反対されて、あなたはどう対処したのか? 転職先が見つからなかったけど、あなたはどうやって解決したのか。
あまり深刻に考えずに、思いついたことをそのまま書いておくのがコツです。問題への対処というのは、結構直感で動いた方が正解ということが多いからです。
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問題を時系列に並べる
書き出したら、時系列に並べていきます。この問題の後に、この問題が起こる、といった感じです。
この段階では、まで年月まで設定しないで大丈夫。年月設定は最後の方でやれば良いです。
たとえば、転職先が決まったあとで、妻に転職することを言うのか。あるいは、転職活動をする前に妻に転職したいというのか。
こういったことを、「転職先決まる」→「妻に言う」みたいな感じで並べ替えしていくと良いです。
パズルみたいな感覚で楽しんでやってみてください。一日で終わらなければ、1週間ぐらい時間をかけてやってみても良いでしょう。
退職に至るまでの道筋を作っていく
だいたい時系列まで並べたら、さあどうでしょう?
おぼろげながらでも、退職までの道が見えてきたのでは無いでしょうか? 実はこれがロードマップになるのです。
時系列にそってどんな問題が出てどう対処するのかが見えているので、退職への不安がかなり解消されたのでは無いでしょうか?退職することがそんなに難しいことではなく、なんとなくできそうだ、という感覚にもなると思います。
これがロードマップを作る一番の成果ですね。
年月や日付を追加する
でも実は時系列に並べただけではまだ完成ではありません。
ひとつひとつの問題に年月を設定していきましょう。できれば日付も入れましょう。日付はわからない場合は入れなくても大丈ですが、年月ぐらいは設定しましょう。
なぜ年月を設定したほうが良いかというと、2つのメリットがあるからです。ひとつは、自分の中での宣言になることです。いついつまでにその問題を解消するぞ、という動機づけになるのです。
2つ目は、期限を決める、ということです。自分で設定した期限まで問題を解消しないと、次のステップにいけません。ということは、最終的な退職日もそれだけ遅れてしまうということです。
仕上げに退職日を設定する
あとは、最後の問題をクリアした後に、だいたいの退職日を設定します。
一番最初の問題をいつに設定されましたでしょうか?
できれば一番最初の問題は、今から真剣に対処していきましょう。もし最初の問題をクリアすることができれば、それだけ自分の実現したいことに一歩近づけたということです。
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