「独立するのに営業スキルは必要か?」
我ながら、コレすごいタイトルですね。誰もが「そりゃあ、必要でしょう」と思うでしょうね。起業家って自分で仕事をガンガン取っていくイメージがありますから。
とは言え独立を夢見て退職を考えてる人にとっては、この営業スキルというのはものすごく気になるポイントなのではないでしょうか?
特に営業畑以外の人にとっては。
営業スキル無しで退職しようとすると、果たして自分には営業スキルなどあるのだろうか、営業スキルが足りないから独立などできるわけはないと思いがちになると思います。
結論から言うと、独立して事業を成功させるには営業スキルが必要不可欠ですが、退職前の段階ではあまり営業スキルに囚われない方が良いと思います。それよりも、まず自分の立ち位置というか自分の事業スタイルを確立させることを考えたほうが良いでしょう。
営業に不安を感じている人というのは、日本独特の営業スタイルという幻想に惑わされる傾向があります。それはただの幻想なので、変に惑われずに退職後は自分のスタイルで動けば良いと思います。
営業に自信がない人に向けて、惑わされやすい営業スキルについて、私の失敗経験も踏まえて書いていきたいと思います。
営業スキルがなければ起業は失敗する
転職は別として、退職したら自分の給料は自分で稼がなければなりません。
事業を始めたてのころは、どんどん自分を売り込む必要があります。それこそ机に座っている暇がないぐらい、外に出て売り込むのが理想です。
会社を辞めてしまえば、もう誰も自分の事など興味を持ってくれません。
あなたがどのぐらいの価値を提供できるかをアピールして、それが相手にとって魅力的であれば初めて興味を持ってくれます。価値がないと判断されればそれっきりです。
お客さんが興味を持ってくれなければ、仕事は進みません。商品も買ってもらえません。そのため売上が上がらず、最後は廃業するというパターンに陥ります。
起業後1年で廃業してしまうことが多いのは、営業力や集客力が足りないことに起因するということは、よく言われていることです。
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営業できない人は独立しない方がよいのか
では、営業に自信がない人は独立などしない方が良いのでしょうか。そういう人は、嫌な会社で定年までずっと我慢するべきなのでしょうか。
誰かにそんな相談をすれば、決まって「今の会社で我慢した方が良い」とそっと諭してくれるでしょう。特に成功した起業家などはそう答えてくれるはずです。それほど、退職後は営業能力が必要になってきます。
でも、それではあまりに救いがないように思います。営業に自信が無くても、独立する夢を見ても良いのではないか、と私は思うのです。
私のことで恐縮ですが、実は私、ほとんど営業経験ありません。昔から営業が苦手です。営業なんてやりたくないと思っていました。今でも苦手です。
新入社員の頃からほぼ一貫して管理畑を歩んできました。会社では、自分から物を売る立場になったことがありません。退職して初めてモノを売る経験をしたぐらいです。
営業に自信がないことが退職のブレーキに
退職しようかどうしようか迷っていた時、いつもこのことが心にひっかかっていました。
どんな起業に関する本を読んでも、事業を成長させるには営業スキルが重要と書いてあるんです。成功した起業家自身も営業出身の方が多いです。
営業スキルがなくても起業して成功できるなんてことは、ネットを探してもどこにも書いていませんでした。
退職したいと考えるたびに「やはり営業ができなければダメなのか」と、いつも自分にブレーキをかけていました。それが積み重なり、いつしか営業スキルが無いことに負い目に感じてしまうようになっていきました。
営業スキルの幻影に踊らされる
しばらく悶々としていましたが、そのうちに退職したい気持ちが勝ってしまい、退職することにしました。上司に退職を告げた時、営業スキルがないのに退職してしまうなんて、自分はなんてクレイジーなことをしているんだと思いました。
でも当時としては、営業スキル云々などと言っていられないぐらい切羽詰まっていました。このタイミングを逃せば、もう定年まで退職できないと言うぐらいの千載一遇のチャンスだと思っていたんです。
起業したての頃は、営業スキルを磨かなくてはならないと思っていました。もっと積極的に名刺交換したり、電話かけまくったり、チラシをばらまいたり、営業メールを送ったり、飲み会や異業種交流会に積極的に参加したりして、一人でも多くの顧客を見つけなければならないと思っていました。
今考えると、「こうしなくちゃいけない」という固定観念に引きずり回されていたように思います。見よう見まねで片っ端から営業メールを送ったり、異業種交流会へ出席して名刺やチラシを配ったりしました。営業スキルの本を読んだりしました。
ところが、営業が自分のスタイルにはまったく合わないことがわかりました。営業しようとすると、拒否反応がでてきて冷や汗がでるのです。結局自分にはできないと営業は諦めました。
事業が失敗したのは営業スキルが無いから?
結果的に私の事業はうまく軌道に乗りませんでした。
事業がうまくいかなかったのは、自分に営業スキルがなかったからではないのか、と自分を責めたこともあります。もし営業スキルが自分にあったら、廃業という結果にはならなかったかもしれないと悔やんだこともありました。
でも、もっと深く考えていくと、失敗の理由は営業スキル以前のところにありました。
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いわゆる営業スキルは関係ない
失敗要因について考えていくうちに、営業スキルがないから廃業に至ったわけではなく、その前に事業としての完成後がそもそも低すぎたことにあるからだとわかったからです。
事業が軌道に乗せられなくて四苦八苦していた頃に、もし営業してくれる人が現れていたらどうなっただろうと考えてみると、すぐにわかりました。
もし自分に代わって営業してくれたとしても、結局うまくいかなかったように思うのです。未完成な事業を営業スキルで無理やり広げても、関わった人やお客さんに迷惑をかけるだけだからと考えたのです。
短期的には売上につながるかもしれませんが、営業を重視するあまり当初自分で考えていたような方向性が捻じ曲げられるかもしれません。
事業が未完成なのに無理やり営業をしても、結局は失敗するということです。
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営業できないなら無理にこだわらない
もう営業スキルにこだわることはやめようと思いました。
まずは自分のビジネスを固める、これが一番最初にやることではないかと思うのです。それができて初めて、たくさんのお客さんを集めて売上を拡大していけるようになります。そうならないうちは、営業スキルがあっても逆効果になってしまうでしょう。
ある程度自分の事業が固まって確立することができれば、自分の中に自信ができます。自信さえできれば、どうやって自分のビジネスを広げていくかについては、その時点で最適なアイデアを思いつくことができるでしょう。
片っ端から名刺交換しなくても、一番効率が良くて自分が冷や汗をかくこともない方法で、自分のビジネスを拡大できるのです。とっても自然な流れだと思います。
だから、無理に営業スキルにこだわるよりも、まずは自分のビジネスを確立することが大事だと思うに至りました。
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営業という固定観念を捨てる
営業できなければ、独立はあきらめるべきか?と聞かれれば、私はそんなことないと言うでしょう。営業できなくても独立できる道はあると答えます。なぜなら、自分がそうだからです。
営業の経験がなくて負い目に感じている場合、まずは営業という固定観念を捨てるべきではないでしょうか。
サラリーマンならまだしも、会社を退職したら「○○しなければならない」というルールはありません。自分で好きなように形づくっていくことができます。
まずは自分のビジネススタイルを確立することです。どうすれば自然に売上が入ってくるか、を確立することが先決だと思います。
うまく回っていったとき、あなたが自然にやっていることこそ、他の人の目から見たら営業そのものだったということもあるかもしれません。
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独立するのに営業スキルは必要か?
「独立するのに営業スキルは必要か」
ここまで読んでいただければ、もうわかると思います。
営業経験がなくても、自分の事業が確立されていれば、自分の力で自然に営業ができるようになります。だから、営業やったことないというのは、独立を諦める理由にはならないと思うのです。
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