借上社宅に住んでいる場合、退職したら社宅を出なければならないのでは? と不安に思う方もいらっしゃると思います。
借上とはいえ社宅というからには会社が借りているのですから、普通に考えれば退職したら出て行かなければなりません。
でも、実際のところはどうなのでしょうか?
結論から言えば、借り上げ社宅の場合なら、退職後もそのまま住み続けられる可能性があります。
もし色々な事情で引っ越ししたくない場合、是非検討してみてください。
実際に私がやってうまくいった方法をご紹介いたします。
結論:借上社宅ならそのまま住める可能性が高い
もしあなたが、現在借上げ社宅に住んでいるのなら、退職しても引っ越さないでそのまま住める可能性があります。
借上社宅とはいえ、単なる契約上の問題でしかないからです。
だから「借上社宅の構造」を理解することと、ほんの少しの勇気、この2つがあれば、誰でもできます。
私はうまくいきました。退職後も「そのまま住み続けて」います。
住んでいるところは変わらずに、ただ単に契約が変わっただけです。
▼退職後無職状態で家を探すのもしんどいですよね。
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ポイントは、賃貸契約を会社から個人に切り替えること
ポイント
賃貸契約
これまで:会社 - 大家さん
↓
退職後:あなた個人 - 大家さん
借上とはいえ社宅というからには会社が借りているのですから、普通に考えれば退職したら退去を考えるでしょう。
私もそうでした。
でも実際出て行くとなったら大変です。
うまく転居先が見つかるかどうかということから、子供の学校の問題や転居費用のことまで、本当にたくさんの課題ややることが出てきます。
まして転職や起業・独立の準備にただでさえ大変な時に、そんなことにかまってられません。そんなんだったら退職などやめておこうと思うでしょう。
でもやり方によっては、借り上げ社宅に住んでいても、退職後そのまま住み続けることもできます。
退職後必ずしも社宅を出て引っ越す必要はありません。
ポイントは、賃貸契約を会社からあなた個人に切り替えるだけの話です。
今までは、会社が借りていましたが、これからは会社を外してあなた個人の契約にすれば良いのです。
当然家賃の負担は個人100%になってしまいますが、引っ越しの手間を考えればこのまま住み続けたほうが便利という方もいらっしゃるでしょう。
もちろん契約を切り替えるのは、簡単には行きません。まずは窓口となる不動産業者への相談からはじめて、大家さんの承諾も必要です。
ただし大家さんから見ると、空き家になってしまうのは避けたいはずなので、かなり高い確率で承諾してくれると思われます。
一番ハードルが高いのは、やはり最初の不動産業者への相談でしたね。やっぱりちょっと恥ずかしい。
でもここがうまくクリアできれば、あとは自分の手を外れて大家さんの返事を待つだけになります。
大家さんが承諾してくれれば住み続けられますし、それが叶わなければ新たに引越し先を探す必要があるだけのことです。
とはいえ大家さんとしては空き家にはしたくないですから、このまま家賃がもらえると判断されれば承諾してくれるはずです。
社宅住まいで退職に悩む人の不安を少しでも取り除ける手助けになれば嬉しい限りです。
関連記事 退職するなら引っ越しした方が良いのか?
借上社宅とは何か?
借り上げ社宅の構造
まずは、借り上げ社宅の構造について書きたいと思います。
なぜなら、この構造を理解しておくことで、退職後に社宅をでなければならないのか、それとも出なくてもよいかを自分で判断できるようになるからです。
私は不動産の専門家ではありませんので、そんなに詳しくありません。でも借り上げ社宅の構造の概要さえわかっていれば、問題点は自然とクリアになってくると思います。
借り上げ社宅ってその言葉どおり、会社が社員の代わりに部屋を借りてくれることです。
つまり会社と大家さんが賃貸契約を結ぶ、ということです。
会社は大家さんに毎月家賃を全額支払います。会社は社員規定に基づいて、会社が支払っている家賃の何割かを、従業員の給料から差し引きます。
従業員は自分で決めたお気に入りの部屋に住むことができますし、会社としても家族寮などの資産施設を運営維持するコストも省けます。
大家さんにしてみれば、個人より法人に貸したほうが家賃を長期安定して貰えるというメリットがあるのです。
このようにWIN-WIN-WINの関係にあるので、ほとんどの企業では借り上げ社宅制度を導入していると思います。
借り上げ社宅の落とし穴
でも、私が思うに落とし穴もあると思うんです。
大きなメリットのある借り上げ社宅制度なのですが、見方を変えてみると、実は会社は社員の「自由」を奪っているのではないでしょうか。
つまりはこういうことです。
借り上げ社宅ってそもそも会社と大家さんが契約していますので、会社を退職してしまった人は、会社から了解がない限り住み続けることはできません。
退職すれば社宅を出なければならないので、会社にとっては、これが社員の離職を防ぐ壁になるのです。つまり借り上げ社宅という壁で囲っているので、従業員はそこから逃げられないということです。
これがもし会社ではなく、社員個人と大家さんが直接契約していれば、まったく違う構図になるはずです。
賃貸契約について会社は関係ありませんから、会社を退職しても住み続けることができるのです。退職するハードルは、借り上げ社宅と比較するとそんなに高くないと言えるでしょう。
借り上げ社宅の場合とそうでない場合とで比較した、離職率の違いというデータが実際にあるのかどうかはわかりません。
でもこういったことから借り上げ社宅の場合の方が、離職率が低くなる(会社を辞めにくくなる)傾向にあるのではないでしょうか?
40代という転機をむかえ転職や起業・独立など、安定した会社を退職して自分のやりたい道に進むという人生のチャレンジは、もしかすると借り上げ社宅によってスポイルされてしまっているのかもしれないのです。
極論・詭弁と取られることを承知で書くとすれば、借り上げ社宅制度があるために、日本では新規産業の創出が少なからず阻害されていると言えるかもしれません。
もっと酷く言えば、借り上げ社宅制度って社畜養成制度あるいは社畜囲い込み制度と言えるかもしれません。
これはちょっと言いすぎかな。
会社契約から個人契約へ変更する方法
さて、借り上げ社宅制度のことを嘆いてばかりいてもしょうがありません。
我々の最優先事項は制度を変えることではなく、自分の信じる道を進むことです。
そのためにはどうしたらいいのでしょうか。
不動産屋さんや大家さんにとっては悪い話ではない
答えは簡単です。
会社と大家さんの賃貸契約をあなた個人と大家さんとの契約に切り替えれば良いのです。
賃貸契約:会社 = 大家
↓ 切り替える
賃貸契約:個人 = 大家
契約だけ切り替えるので、引っ越しする必要もありません。そのまま住み続けられます。
でも、そんなことできるのでしょうか?
少なくとも私の場合はうまくいきました。
相談しにいった不動産屋さん(借上社宅の管理会社)の話によると、大家さんや会社によってはいろいろと厳しい条件があるということで、一概にすべてうまくいくとは行かないようです。
といっても、引き続き住んでもらえば収入になるので、大家さんや不動産屋さんにしては良い話になるはずです。
私の場合も不動産屋さんが親身になって動いてくれました。
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結論から言うと、会社から個人への賃貸契約切り替え自体はそんなに難しくはなかったです。不動産屋さんに状況を説明し、銀行の残高証明などの必要書類を用意し、契約書にサインして終了といった流れでした。
といってもトントン拍子に事が運んだわけではありません。
審査が通るかどうかが退職予定の1ヶ月前までわからなかったので、心理的には常に爆弾を抱えているような状況でした。
審査に落ちれば、退職前までに転居先を決める必要があります。
審査に落ちた時のことを考え、ネットなどでめぼしいところのチェックだけはしておきました。
「審査に受かった」と不動産屋さんから私の携帯に連絡が入ったときは、本当に嬉しかったことを覚えています。小さなガッツポーツを取ったほどです。
一番苦しかったこと
今から振り返ると一番苦しかったのは、不動産屋さんに相談に行く時でした。人目につくカウンターで退職のことなど恥ずかしくて言えなかったのです。(一番最初は、私が行かず代わりに妻に行ってもらったほどです。)
そこがクリア出来てしまえば、あとはもう不動産屋さんの敷いたベルトコンベアに乗るだけです。できることといえば、審査が通るようにありったけのお金を銀行に回して、貯蓄額を増やすことぐらいでした。
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