このブログを読んでいただいている皆様は、退職について、何かしら考えていらっしゃると思います。
もし、皆様が実際に退職するときは、ご両親(ご健在であれば)へ退職前に相談しますか? 40代にもなって両親への相談もないだろう、と思うでしょうか? 退職後の事後報告で良い人もいるでしょう。
私は、退職前に両親へ相談をしました。退職する前の「けじめ」だと思っていたからです。なぜかはわかりませんが、退職した後に報告するのは、あまり誠実なことだとは思っていませんでした。
私は、このまま会社員で定年まで過ごすことが地獄であると感じていました。本当は会社を辞めて独立していきていきたいのに、その気持を隠して生活していくことにホトホト疲れきっていたのです。
心の何処かでは、両親に励まして欲しかったのかもしれないです。褒めて欲しかったのかもしれません。早く両親に自分の気持ちを言いたかったのかもしれません。
両親へ話をした結果としては、大反対されました。でも、最後には半ば呆れて納得してもらえました。
以下は、私の両親へ退職意向の報告をしたときの様子を記します。両親への退職報告を考えている方もいらっしゃるかと思います。この記事を参考にして、退職時のリアルな状況を感じてもらい、ご自身の退職判断の参考になればとても嬉しいです。
両親との話し合いのリアル
切り出すタイミングを伺う
今日は、私の家族が住んでいる狭いアパートの部屋に両親が来る日。まだ幼稚園前の子供達の顔を見に来るのだ。この機会を活用して、今日は絶対退職することを言わねばならないと心に誓いました。
両親は、孫達にメロメロで始終笑顔です。私は、いつ両親に打ち明けようかとドキドキしながら、タイミングを伺っていました。
しかし、ここだというタイミングはいつまで経ってもやって来ませんでした。そのうち帰る時間となり、両親が帰り支度を始めたので、駅まで見送ることにしました。
券売機で切符を買って、改札に向かう途中に、意を決してこう言いました。
「ちょっと話があるんだけど、そこの喫茶店に行こう」
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家ではなく、お店で話をする
実は、駅まで見送ることになった時点で、このタイミングを計画したのです。退職を言うなら、自宅ではなく、外でした方がいいと思いました。
最初は、父とだけ話すつもりであったが、母も同席したほうがいいと思い直しました。そうするなら、自宅ではなく喫茶店に誘って話をすることが一番だと思ったのです。喫茶店なら他の人の目もあるので、感情的にならず冷静に会話ができるだろうと考えたのです。
まず最初は、仕事のことなんだけど、と切り出しました。
「40歳を超えたし、40代は、ちょうど人生の半分だ。人生の節目で、いいタイミングだと思っている。ここで独立したい。」
そうすると、予想どおりネガティブな発言が両親から出てきました。
そんなに甘くない、苦労する。なにも会社を辞めて苦労することない。家族もいる。独身ならばそういうのもいいけど、家族に迷惑がかかる。そんなにうまくいくわけない。駄目だったら、就職するといっても、今の不景気そんなにすぐ職が見つかるわけがない。家内はどう思っているんだ?
こんな内容です。大反対ですね。正直こたえました。でも、粘り強く説得し、どんなことを言われてもやるんだといって、退職することを押し通して、決して曲げませんでした。
最後は、半ば呆れて「好きにしろ」と言って、帰っていきました。
不安に襲われる
部屋に戻ってから、両親に退職の話をしたことを、妻に話をしました。妻にとっては義理の両親が来ていたので、気疲れもあって、両親の大反対にかなり不安に思ったらしく、「この先どうなっちゃうんだろう?」と涙目で言ったのを覚えています。
でも、その日の夜、妻はぐっすり眠れたようだから、私よりは不安が少ないだろうと考えました。私はというと、その日の夜はすぐ入眠することができましたが、早朝4時ごろに目が覚めてからは、不安で眠れなくなりました。
両親へ退職の報告をするというのは、私にとっては大きな壁でした。今まで何度も越えようと思っていた壁でした。でも、その日に初めて壁を越えてしまったのです。大きな壁が崩れたという感じがしました。
自分の中では、退職に向けてさらに前に進んだと実感しました。でも、嬉しさの反面、その壊れた壁の隙間から不安が襲ってきたことも事実です。今までモヤモヤした気持ちが無くなって、代わりに「退職してうまく行くか?」という不安がどんどん膨らんできました。
最後に
不思議な事に、両親から反対されても、退職を思いとどまる気持ちにはなれませんでした。むしろ、本当の自分の気持ちを両親に伝えられて、気持ちがスッキリしたというのが正直なところです。両親が反対する理由も理解できるからです。
会社を辞めた今でも、退職したことについて賛成はしてくれません。(大成功していれば話は違ったかもしれませんが、そんなことはありませんでした。)
これが、40代退職のリアル。本当のところです。