副業するべきか。しないべきか。
退職のことが頭によぎってくると、不安や危機感から副業した方がいいのかなと思ったりします。最近は副業解禁とかいって、副業した方が得するような風潮があります。
でも副業って、やった方が得なんでしょうか? それとも、特に副業などしなくても会社の仕事に専念しといた方がいいんでしょうか。実際のところはどうなんでしょうか? 悩むところです。
そこで、副業するのは正解なのか、実際の経験から考えてみたいと思います。
なんで副業しようと思ったのか?
実は退職する15年前ほどから、会社に黙って副業してました。15年前ですから、入社してすぐですね。
副業と言っても確定申告が必要になるほどの稼ぎがあるわけではなく、将来の起業に備えて、起業ごっこをしているような感じでした。
15年ずっと赤字続きでした。ほとんど趣味レベルで、給料の中からコストを支払っているような感じです。
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副業で稼いで早く退職したかったから
なぜそんな儲けもないような副業をしようと思ったのかというと、早く会社から逃げたかったからです。
副業がうまくいって給料を越えるぐらい稼げるようになれば、楽に退職できるぞという淡い期待を持っていたんです。
現実はそんなに甘くなかったです。
実際やった副業
実際どんな副業やってたかというと、「勉強会」「小規模セミナーの開催」「作品展やイベントの企画・主催」「WEBサイトやブログの運営」といった感じです。
収支は最高にうまくいってトントン。9割は赤字というか、ほぼ自腹といった感じでした。
勉強会
月に1回ぐらいのペースで、マーケティング関係の勉強会を主催してました。
スターバックスとかタリーズといったカフェで、500円ほどの参加費で4~5人を集めて、平日7時過ぎから2時間ぐらいの勉強会をやったりしてました。
参加費500円ですから、ほぼボランティアです。お客さんも5人集まれば大成功といったレベルで、平均すれば2~3人です。
参加を呼びかけたものの、参加者ゼロでコーヒーだけ飲んで帰ったこともかなりあります。
勉強会主催で得たもの
金銭的には得るものはほとんどなく、そこで人生を変えるような人と出会ったわけでもありません。
あえて言うなら、自分には勉強会を主催する才能がゼロだとわかったことぐらいです。
要は、自分の労力を使ってカフェの売上に貢献したということですね。
小規模セミナーの開催
このままではまずいと焦って参加した異業種交流会で出会ったフリーライターと組んで、ライティングのセミナーを開催したことがありました。
専用のWEBサイトを作って告知に励みましたが、結果は惨憺たるもので参加者は最高2名。気づいたら、そのフリーライターから何の連絡も来なくなりました。
小規模セミナー開催で得たもの
この副業も儲かりませんでした。あえて言うなら、誰かと組んでイベントを主催する能力がまったく無いと気づいたことぐらいです。
睡眠時間や週末、家族との団欒を犠牲にしてわかったのが、自分の無能さということでした。
バカバカバカ。自分のバカ。
作品展の企画
これだけ失敗しても懲りず、起業塾で知り合った人達を巻き込み、アートな作品展を企画したりしてました。
いわゆるアマチュア作家の展示即売会です。これは出展料がとれるので、トントンぐらいは稼げました。
でも、会場費など諸々の経費を考えると、赤字ですね。
この企画の問題は、作品を展示する作家さんは確保できても、展示会を見に来るお客さんを確保するのが難しいという点です。
結局、集客の問題で長続きせず、自然消滅となりました。一緒にやっていた人達もどこかに行って音信不通になりました。
作品展企画で得たもの
自分は相当のバカだということに気づいたことです。
この企画のために会社を休んだり、早く帰っていたりしていたので、もっとちゃんと仕事して残業代稼いでいる方がよっぽど良かったと思います。
WEBサイトやブログ運営
作品展の失敗は人と組んでやってからだというので、WEBサイトやブログ運営に力を入れました。
でも、ほとんどアクセスが稼げず、サーバー代を賄うこともできませんでした。
WEBサイトやブログ運営で得たもの
自腹でインターネットビジネスのセミナーに参加したり、プログラミングの講習会にも行きましたが、何の成果もありませんでした。
その時間を使って、もっと子供と遊べばよかったと思います。
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副業は苦行でしかなかった
個人的な経験からすれば、副業は完敗に終わりました。うまくいくことの無い地獄の苦行のようなものです。(今もその延長にありますが・・・・・・。)
下手なシャレで言うと、副業は「ふー、苦行」でした。スミマセン。
うまくいかなった要因は集客
なんでこんなにうまくいかなかったのかというと、全ては集客力が足りなかったということです。さらにいうと、集客力が付くまで辛抱強く続けられなかったということです。
サラリーマン気質ではうまくいかない
なぜ辛抱強く続けられなかったかというと、個人でやることと、会社でやることの違いが認識できていなかったというのがまず挙げられるでしょう。
個人で何かをやる場合は、そんなにお金をかけられないので、成果が出るまでには時間がかかります。
会社組織で仕事としてやる場合では、ひと月もしないで成果が出ることが普通の状態です。その一方で個人でやるとなると、半年や1年は成果が全く出ないこともザラにあるのです。
でも、会社員体質が染み付いているので、個人でやっていることでも、会社でやっている仕事と同じものと勘違いして、すぐに成果を出すことに期待しすぎてしまうんです。
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副業だと中途半端
結局副業から学んだことは、副業は中途半端だと言うことです。
副業に失敗しても、本業の給料がある
副業がうまく行かなくても会社を辞めない限りは給料は貰えますから、必死になって成果を出そうなどとは思えないんです。
ちょっとやって成果が出なければ、簡単にあきらめてしまうんです。
副業では時間がとれない
もうひとつの問題は、時間です。
副業として使える時間は、本業と比べればほんの少しです。
それでも通勤時間を活用したり、睡眠時間を削ったり、週末の家族サービスを削ったりすることで、多少は捻出できます。
TODOソフトを使って通勤時間などの細切れタイムを使ったり、朝活と称して始発に乗り出社までカフェでブログ書いてました。
でも、本業の会社での時間に比べると圧倒的に少ないです。時間が足りなくてしょうがなかったです。
時間がとれないので、副業でできることは非常に限られてきます。
たとえば、副業でクレームがあった場合は、顧客への対応がどうしても遅れがちになってしまいます。
就業時間では当然対応ができないため、退社後に顧客へ連絡することになります。それに、会社の飲み会があったときなどは適切なタイミングで対応ができないことも多くあります。
そんな対応を続けていれば、お客さんはどんどん離れていってしまうのです。
本業の時間が無駄に思える
副業を続けていると、会社で仕事をしている時間が無駄に思えてきます。
副業を本業にして、自分で稼ぎたいと思うようになります。
これが行き過ぎると、会社での自分が仮の姿やゾンビという風に思い込むことになります。副業もうまく行かず、会社でもゾンビになっている自分が嫌になってきます。ここまで来ると、不眠や抑うつ、出社拒否で精神的にボロボロになってるので気をつけてください。
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副業が退職のトリガーにはなった
経済的にはまったく成果がありませんでしたが、退職するきっかけにはなったとは思います。
どうせだったら副業を本業にしたいと思うようになったからです。本業にすれば、嫌な会社にいる時間を100%使えますから。
退職を後押し
副業がうまくいかなかったのは、単純に使える時間が足りないからだ。もし、100%使えるようになれば、きっとうまくいくに違いないと、退職する気持ちを後押ししてくれたのです。
とはいえ、100%時間を使えるようになったからと言って、必ずしもうまくいくとは限りませんでしたけど。やっぱり副業でダメなら、それを本業にするのはかなり難しいのかもしれませんね。
副業するべきか?
「退職できた」ということでは、副業した意味があったかもしれません。
でも、もし副業しなかったら、退職もしなかったか?と考えると、別にそうでもないんじゃないか、と思えてしまうんです。
副業しない方が早く退職していたかも?
逆に副業しない方が、もっと早く退職できていたかもしれません。
副業にあてる時間を自分のことを冷静に分析する時間に使えたからです。今から考えると、その方が良かったかもしれないです。
焦って副業せずに、自分のやりたいことを冷静に考えて行動していれば、起業に失敗することもなかったかもしれないからです。
副業する前に落ち着いて考える
副業するかしないか、副業の結果というのは人それぞれなので、一概に副業したほうが良いかどうかというのは言えないです。
でも、焦って副業しても結局中途半端になって、時間の無駄で終わってしまいます。
副業しようかなと思ったら、まずは冷静になって、自分のやりたいことに耳を傾けた方が良いのではないでしょうか。