こんな経験はありませんか?
行動する前は、乗り越えるのに尻込みするようなものすごく高いハードルと感じていた。
でも実際やってみると、実はそのハードルは、自分の背丈よりもずっと低くて軽々と乗り越えることができた。
退職するって、そんな感じです。
退職前はすごく難しいように感じていたのに、実際やってみると、案外スムーズで簡単にできてしまうものです。
でも、「退職後に何をやるのか?」っていうのは、一筋縄ではいかない、難しいテーマだと思います。
とくに、起業・独立を考える場合は、転職するよりも星ひとつぐらい難しいと言えるでしょう。
なぜなら、何もないゼロのところから商売を興すからです。
計画通りには行かないことの方が多い
転職するなら、商売がうまく行かなくても(リストラされるリスクはありますが)給料は貰えます。
一方、起業・独立の場合は、商売が上手く行かなければ、倒産・撤退ということになります。
そのようなリスクを減らすため、退職前に事業計画書を作ったり、商売を成功させるための事前準備に必要なことについて、考え始めます。
事前準備という意味では、このように計画しておくことは、とても有意義なことだと思います。やっておいて損はないかもしれません。
しかしながら、退職前の計画というのは、総じて「甘い」ということだけは、認識しておいた方が良いです。
もう一度言うと、退職前の事業計画書というのは、退職後はまったく使い物になりません。大体が、絵に書いた餅になります。
実際にスタートしてみると、退職前に苦労して計算した計画は、想定通りにはいきません。むしろ、計画通りに行く方が少ない。
大体が、計画よりも実績のほうが下回る方が多いです。
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自己満足になりがちな事業計画書
私も、この事業計画書や事前準備、かなり痛い失敗をしてしまいます。
退職後の商売をどのように進めるか事業計画書を作成して、自分なりに退職後の商売を計画して準備していました。
また、起業セミナーにも行ってみたり、異業種交流会のようなところへも出かけて行きました。また、見込み客獲得の為、勉強会を開催したこともあります。
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結論から言うと、このような事前準備は、独立した後にうまく活用することはできませんでした。
独りよがりの事業計画
よくあるでしょう、テスト勉強前に掃除を始めてしまって、肝心の勉強になかなか手が付けられないこと。
お恥ずかしい話ですが、結果として、私の事前準備というのが、テスト前の掃除のようなものでした。
本当は練習問題を問いたり単語を覚えたりするのがテスト前にやることなのに、私は、本来やらなくてもいいことにひたすら励んでいたのです。しかも、必死になって。
今から考えると、本当に時間の無駄とも言えることでしたが、当時は必死でした。
本当は、顧客ニーズがどこにあるのかを真剣に調査したり、事前に反応を下調べするのが、事業計画の立て方だと思います。
ところが、私は顧客ニーズを聞くことすら十分にしていませんでした。顧客ニーズは、自分の中でよく理解している、というよくわからない過信があったからです。
そして、自分にとって都合の良い数字を勝手に積み上げて、事業計画書のデザインにこだわっていました。
デザインにこだわっていたといっても事業計画書を誰かに見せる、というわけでもなかったのです。
完全に自己満足でした。
自分にとって都合の良い数字を書き連ねた事業計画書。お客様ニーズを無視した、独りよがりの事業計画。
こんな事前準備をして、自己満足に浸っていたのです。
自分では、十分事前準備をしているつもりでしたが、実際スタートすると同時に大きく躓いてしまったのです。
当たり前!
「どうやって売上するか」の欠如で、失敗
なぜこんなことをしてしまったかというと、人を集めればなんとかなるさ、という甘い考えがあったからです。
人を集めさえすれば、後はうまく売上につながっていくという考えがあったのです。
でも、その考え自体がすでにかなり甘かった。
実際は、集客というものをひとつとっても、まったくうまく行きませんでした。
そこで別の方法を考えて試すのですが、顧客ニーズをうまく掴めていないので、それもうまく行きません。そもそも集客しないと売上も上がらない仕組みになっているので、集客できなければそれでアウトです。
結局、にっちもさっちもいかなくなり、退職後始めた商売は、路線変更せざるを得ない結果となりました。
退職前にやったことない商売をイメージするのは至難の業
本当の事前準備というのは、本番に活かすためのものです。
本番というのは、どうやって売上を上げていくか、ということです。
しかし、自分を正当化するようですが、毎月給料を貰って安定した生活をしている会社員に、まだ始めてもいない商売の現実をイメージすることは、難しいと言わざると得ません。
すごく難しいのですが、結局、それができる人がうまく業績を伸ばしていくことができるのでしょう。現実は厳しいですね。夢は儚くも失敗するものです。
「独立・起業する分野は、長年経験のある分野が望ましい」とよく言われるのは、そのような事情からです。
過信から来る、詰めの甘さ
ならば、経験があれば良いかと言えば、そういうでも無い。
私のように、過信による勝手な思い込みもあります。
私の場合は、多少は経験あった分野でしたが、過信から、実際の商売の仕組みをかなり甘く見積もってしまいました。
そして、自分の都合の良いように事業計画を壮大なものにしてしまっていたのです。
そのため、実は、退職が近づいてくるにつれて、これはうまくいかないのではないか?という気持ちが、徐々に芽生えてきました。
虫の知らせでしょうか? 実際うまく行きませんでした。
この事業計画書は、今でもとってありますが、まるで見当外れで、自分がどれだけ甘かったかわかります。
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事前準備がまったくの無駄というわけでも無い
私の場合は、このように退職前のビジネス準備をうまく活用することはできませんでしたが、当然うまく活用して、退職後スムーズに売上拡大につなげている方も多くいらっしゃいます。
言ってみれば、私が馬鹿だったので、事前準備がまったくの無駄というわけではありません。
事前準備で一番大切なことは、どうやって売上を上げていくか?という視点だと思います。そのために何をするのか対策を考える、というのが事業計画であるべきです。
そして、事業の計画というのは、私のように壮大なものにせず、まずは「小さくてもいいから確実に売上できることは何か?」にフォーカスすることだと思います。
退職前の事前準備
会社員時代は会社の仕事をしなければならないので、事前準備にそんなに時間をかけられない、ということもあります。
手を広げすぎず、むしろ、やることをひとつに絞った方が良いかと思います。
ひとつ解決したら、次に進む。
さらに、ひとつ解決したら、また次に進む。
事前準備といえば、このやり方が一番効率的かもしれません。
でも、なんだかんだ行って会社員時代は、早く独立したいと焦り気味になってしまう傾向があります。
私もかなり焦ってしまいました。
気持ちが焦ってしまうと、事業計画書の数字をてっとり早く成功するように上方修正してしまいがちです。
気持ちの焦りが、結果的に準備を杜撰なものにしてしまう傾向にあるのです。私のように、独りよがりの事業計画書を作ってしまったり、過信してしまったりということにつながるのです。
退職前の事業計画というのは、このように結構落とし穴がたくさんあります。
退職前の計画というのは、総じて「甘く」なりがちです。退職前の事業計画書というのは、退職後はまったく使い物になりません。
このことをしっかり踏まえた上で、それでも事前準備を怠らない。そういう態度が、成功を引き寄せるものだと思うのです。
私のような失敗をしないように、皆様の商売の成功をお祈りします。
でも、仮に失敗したとしても、人生それで終わりではありません。
どんな失敗も、光明への踏み石となりうることを忘れてはならない。
カーネル・サンダース
実は、もうひとつ別の事前準備の方法があります。
私は、この事前準備を行っていたせいで、失敗しても路線変更できました。
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