退職を両親に伝えた時の、彼らからの反応がネガティブすぎたので、そのことについてちょっと考察してみることにしました。
まず、彼らの反応はというと、こんな感じでした。
「家庭崩壊するかもしれん。離婚することも考えているのか?」
意味不明です。
退職したら、家庭崩壊して離婚?
なぜこんな反応が返ってくるのでしょうか。
そこには、団塊世代特有の思い込みが大いに関係していると考えています。
これから退職をご両親に報告しようと考えている方は、このような思い込みがあることを事前に想定しておくと、万が一ネガティブな反応が帰ってきた時のダメージを少なくすることができると思います。
世代間ギャップ
なぜこのような極端とも言える拒絶反応をしてしまうかというと、「会社員」ということについての認識が世代間で違うからです。
40代での退職は社会からのドロップアウト
我々40代の両親は、だいたい60代後半~70代といった層だと思います。
いわゆる団塊世代で、高度成長期と共に過ごしてきた世代です。一億総中流、皆がサラリーマンであることに疑問を感じない世代です。
言ってみれば、会社員であることは良いこと。定年まで無事に会社員として過ごすことは幸福の切符を手にしているということです。
20代や30代ならまだしも、40代で家族がいるのに会社を辞めるということは、社会からのドロップアウトを意味するのです。
そこから連想されるものは、倒産、自己破産、困窮、夜逃げ、借金、離婚などのネガティブな世界。ドラマや映画などの悲惨なシーンそのものを思い浮かべてしまうのです。
すなわち、彼らの頭の中には、
という図式があるのです。
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会社員のステータスが低くなってきている
一方、我々40代が過ごしている社会は、団塊の世代が見てきた社会とはまるっきり違っています。
山一證券、三洋電機、ダイエーといった大企業の経営破綻。日本航空が会社更生法申請したし、東芝が債務超過。
大きな会社でも、簡単につぶれてしまう時代です。
さらに、ブラック企業、副業解禁、残業時間の規制など、今後さらに会社員の働き方が変化していくでしょう。
このような時代にあっては、定年まで同じ会社で勤め上げるという考え方は薄くなっていきます。さらに、必ずしも会社員であることが幸福の切符とはいえない時代となってきています。
40代退職へのネガティブな見方は未だに根強い
時代が変わったからといって、40代で退職することに対して寛容な社会となっているのかといえば、そうではありません。
自分自身にも少なからず、40代での退職(転職や独立含めて)にネガティブな考えを持っていたのも事実です。退職することで、離婚とか自己破産してしまったらどうしようという考えもありましたから。
未だに社会の根底にそういう考えというか偏見があるのかもしれません。社会通念みたいな感じで。そういうことがあるから、日本の開業率は世界に比べると低いかもしれません。
気にすることは無い
「家庭崩壊するかもしれん。離婚することも考えているのか?」
といったかなりネガティブな反応が、両親から返ってきたらかなりショックだと思います。
でも、結論から言えば気にする必要はまったくありません。額面どおり取ってはいけません。
ただ単にその世代特有の考え方に基づく反応を示したに過ぎないのです。
退職したからといって、必ずしも家庭崩壊や離婚することはまずありません。退職即離婚という図式は単なる思い込みでしかありません。
退職したら家族の絆が逆に深まった
果たして、両親の言うように退職したら離婚するのでしょうか。
実際のところは、そんな風にはなりませんでした。なるわけはないのです。大きな借金をしない限りそんな風にはなりません。
家庭崩壊どころか、家族の絆は逆に強まったように思います。
もっとも、会社員であっても離婚や自己破産はするときはするものです。なにも退職したからといって、家庭崩壊や離婚という図式にはならないのです。
離婚や家庭崩壊のリスクに敏感であれ
だからといって、それで安心してはいけないんだと思います。一歩間違えば、そういう危険に陥ってもおかしくないことは肝に銘じておく必要があると思います。
いつでもそうなっても良い覚悟だけはしておくべきでしょう。夫婦で話し合いまではする必要はありませんが、いつでもそうなっても良いように、自分の中では準備しておくべきだと思います。
退職という刺激によって、今まで家庭を結びつけていたものが壊れる可能性もあるのです。だから、退職にあたっては離婚や家庭崩壊のリスクには敏感でいたいです。
その意味でも、退職前は必ず家族の同意をとっておくべきです。
リスクを踏まえて退職するために
家族持ちでいながら、リスクを考えた上でどうやって退職までもっていくか、こちらのページで書いています。