リーマンショックや自爆テロ、東日本大地震など、私たちはこれまでいくつかの非常事態を経験してきました。
そしてこのページを書いている2020年3月は、まさにそんな非常事態の時。世界中に広がった新型コロナウイルスの影響で、日本経済のみならず世界経済が大混乱におちいっています。
これから退職をしようと考えている方にとって、こんな非常事態のときは退職を諦めた方が良いのか、それとも周りの環境に関係なく自分の決めた道を貫いた方が良いのか、かなり悩むことと思います。
そこで40代家族持ちで退職した経験から考えてみたいと思います。
非常事態の時でも、転職や独立を断行するべきか
このような非常事態の時は、退職自体を一旦延期すべき、というのが私の意見です。
40代の退職は、自分ひとりだけの問題ではありません。家族の問題、子供の教育の問題、住宅ローンや生命保険の支払いの問題もあります。
この先何が起きるかよくわからないのが、非常事態の時です。そんな時に退職して、さらなる不安要素を作らない方が良い、というのが私の意見です。
ただし、状況によっては退職を断行した方が良い場合もあります。
それでは次に、退職を延期した方が良い場合と延期せずにそのまま退職した方が良い場合について、考えていきたいと思います。
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退職を延期した方が良い場合
延期した方が良い場合は、まだ会社に退職を告げていない場合です。
転職活動はしているけれど、まだ内定が出ていない場合も同様です。独立の場合は、どことも契約を交わしていない場合です。
自分の中、あるいは身内の中だけで退職を決意をしていて、あとは会社に退職を告げるだけ、という場合。
そういう場合は、一旦退職する時期を1年ほど延期したほうが良いです。そして、1年後に必ず退職すると決めます。
退職する時期を1年と書きましたが、期間はご自身で設定してください。私は、1年~1年半ぐらいが良いと思います。あまり長く設定すると、決意が揺らいできますからね。
いくら非常事態でも、1年ほどたてば状況はかなり改善していきます。経済環境も好転し、通常モードに戻っていくでしょう。
もしかすると、社会は今とはガラリと変わっているかもしれません。今まで想像もしていなかったことが起こる可能性もあります。
非常事態で社会が激変するリスク
非常事態は英語で書くと、Emergency。語源はEmergeで、出現するとか浮かび上がるという意味です。まさになにか未知の新しいものが出現するのが、この非常事態の時なんです。
非常事態の時は、何より混乱が先に立ちます。1週間先が見通せないからです。混乱が収まった後は、これまでと社会のあり方が一変する可能性があります。
世界各国が非常事態宣言を出して、学校も休みになり、リモートワークがこれだけ社会に認知されるようになるなんて、半年前には予想すらできませんでしたよね。
これまで業績が良かったビジネスがうまくいかなくなり、新しいビジネスがそれに取って代わる可能性も大いにあります。
非常事態のタイミングで、無理やり混乱の中で辞めてしまうより、あと1年ほど退職を我慢して、視界が少し良くなったタイミングで辞めた方が直観的に良い感じがしませんか?
退職という人生の重大な決断で、直観に頼って良いのか?という話もありますが、私は最後の最後は直観に頼るべきと思います。だって、自分の直観に頼らないで何を信じる?
早く会社を辞めたいと思っているのに、1年も退職を延期できない、そんなの無理!と思うかもしれません。
でも、非常事態の時はあまり良い条件で転職できないでしょうし、転職先から急に内定取り消しされることもあります。
もし転職したとしても、しばらくは非常事態を処理する案件にとらわれるはずです。せっかく転職したのに、こんなはずじゃなかったと思うのは本末転倒ですよね。
退職を延期しても会社を辞める時はやって来る
独立や起業するにしても、経済の状況が悪ければ、商売を軌道に乗せるのが難しくなります。
ただの不況であれば、ビジネスの種類や業種によってはうまく稼げることもできるでしょう。しかし今は非常事態なのです。
各国政府が国民に現金給付を検討する事態です。まずは命や生活の立て直しが最優先するのです。
そんな時は、なかなかお金が社会に回っていきません。自分自身の生活がうまく回らなければ、起業や独立どころではありません。
使いきれないほどの資産を持っていれば起業しても大丈夫かもしれませんが、普通の人は1年ぐらいの貯金が精一杯です。
悔しいですが、ここは一旦退職を1年ほど延期するのが良いでしょう。
私も一度退職を延期したことがあります。私の場合は非常事態のタイミングではありませんでした。私の妻のご両親に、厄年を理由に退職をされたんです。
そのときは大変悔しい思いをしましたが、今となっては退職を延期してよかったとも思っています。
起業に向けて準備する時間が取れましたし、退職後うまくいかなかったときのために節約して貯金もしました。
私は起業して1年で失敗しましたので、今となってはその貯金が非常に役に立ちました。(今でも役にたっています。)
延期しない方が良い場合
もう会社に退職を告げてしまった、転職先からも早く来て欲しいという場合は、退職を延期しない方が良いでしょう。
転職先によほどのことがない限り、そのまま退職してしまった方が良いです。
今の会社に退職をすでに告げていて、非常事態だから退職時期を延期するとなったら、せっかくの辞めるタイミングを逃しかねないからです。
もし私がこのような状況だとしたら、やはり相当悩むと思いますが、覚悟を決めて退職するでしょう。早く新しい仕事をしたいからです。
フランチャイズの独立や起業の場合でも、契約などの変更ができなければ、そのまま退職してしまうのも手です。しかし、その場合は非常に厳しい思いをするのは覚悟しておいた方が良いです。
私も起業して失敗しています。失敗しても、バイトしたり、貯金を崩したりして、なんとかなっています。
でも「災い転じて福となす」という言葉があるように、人生なにが幸いするかわかりません。マイナスだと思っていたことが、プラスに転じることもあります。
なにが起こるかわからないときが非常事態のときでもありますから、一気に火がついて商売が軌道にのるかもしれません。確率としては低いかもしれませんが、このくらいの気概を持ちたいですね。
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漠然と退職を考えている人はどうしたら良い?
自分の歩み方を考える
私が退職を決心したのは、ちょうど東日本大地震のタイミングです。このときも非常事態でした。
これまで自分に嘘をついて、他人からよく見えるようにしてきた自分の働き方、生き方について反省し、これではいけない!と強く思ったのです。
非常事態の時は、「死」を意識する時です。「死」を意識するとは、つまりは「生」を意識することです。
これからよりよく生きるためにどうしたら良いかを考える、一番のタイミングです。
新型コロナの影響で、働き方もかなり影響を受けたはずです。組織のあり方も変わってしまったかもしれません。今後は経営方針も大きく変わるはずです。海外工場の国内シフトがブームになるかもしれません。あるいはその逆かもしれません。
そんな中自分はどう生きていくのか、このまま会社にいた方が良いのか、それとも起業したいのか、ゆっくり考える時間を取りたいです。
考える方法については、このブログでもたくさん紹介していますので、参考にしていただければと思います。
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家族の反応を探る
もし退職したいと考えているなら、このタイミングで家族の反応を探ってみてください。
いきなり「退職したい」と言うのではなく、まずは遠回しに言って見るのです。
今回の新型コロナの影響で、働き方に随分影響が出ました。まずは、新型コロナの影響で働き方が変わったことをネタにして話をしていきます。
例えば、時差出勤が可能になったとします。
まずは家族に、これまでの満員電車から解放されてよかったという話をします。おそらく家族からは、「よかったね」と賛同してもらえるでしょう。
次に、新型コロナが終息した後も時差出勤を継続して欲しいな、満員電車いやだなと言います。
(ちなみに、ここで時差出勤から満員電車に主旨をスライドしてます。)
家族が「満員電車、嫌だよね」と賛同してきたらしめたもの。すかさず「満員電車を避ける働き方ってないのかな」と振ってみるのです。
もし「そんなのあるわけないでしょ」と一蹴されたら、あなたの退職は遠いかもしれません。→ 妻から退職を反対されても、最終的にOKもらうための実践的アイデア
もし「うーん。なんだろう?」と一緒に考えてくれたら、退職に理解を示してくれる可能性があります。
最後にあなたが「まあ、今の会社じゃ無理か!」と言って、家族がどう反応するか。「転職(あるいは起業)する?」と言ってくれるか、「諦めなよ」と言うか・・・・・・。
家族の反応を探る良い機会でもあります。一度試してみてください。
ちなみに自分からは一言も「退職」と言わないのがポイントです。
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非常事態は、変化の時
今回の新型コロナのような非常事態の時は、なるべく退職は延期した方が良いというのが私の意見です。
もちろん、このページで紹介したように、すでに会社に退職を告げてしまっている場合、転職先から早くきて欲しいと言われているような場合は、そのまま退職した方が良い場合もあります。
でも退職を延期したことで影響するのが、あなたの身内の範囲内だけであれば、しばらく退職するのを伸ばす方が良いでしょう。
動かざること山の如し。
退職を延期しても、必ず退職できるときはやってきます。
私が退職を延期したときはかなり悔しい思いをしました。本当に退職できるのか不安にも思いました。でもやっぱり退職したいという思いが強かったので、意を決して上司に退職を告げ、1年後に退職しました。
じっと霧が晴れるのを待ち、状況が上向いてきたら、すかさず上司に退職をつげると自分の中で決めてしまいましょう。
今は退職するタイミングではないのです。
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